育児に奮闘しているパパ、ママの皆様、お疲れ様です!ITパパです。
テレビで不定期的に話題になるキングコング西野亮廣さんの著書「新・魔法のコンパス」を読んだので内容解説や感想を書きます。
私は西野さんの信者でもなければアンチでもないので、フラット視線です。
本著書はジャンルとしてはビジネス書で大きく分けて、お金、広告、ファンという3つの章立てと特別付録として近畿大学の卒業式スピーチ、エンドが読者への手紙という構成になっています。
3つの章の中に細かいセクションがいくつかあって、セクションごとにまとめが書かれています。
私は普段ビジネス書の類はまったく読まないんですが、そんな私でも1時間ちょっとで読み切れるような内容になってます。はっきり言ってアホでも読めます。
口語体であることに加えて、意図的に平易な文章にしており、芸人さんならではのボケも多々あります。
読後の感想として、まず思ったのが時代を的確に切り取る方だなぁということ。
多くの方は私みたいに特定の会社に勤めてもらった給料だったり、自営をして得た収入で生活をしていると思いますが、これからの時代は1分野の専業ではなく複数の仕事を掛け合わせた複業的な生き方を勧めているあたり、目からうろこでした。
こういった考え方って私達の子供が大人になる頃にはもっと広がっているだろうし、もっともっと発展した生き方も出てくるはず。
考え方を柔軟にしたり、将来子供達と話をする時のギャップを埋める意味でも時代の今を感じることができる本を読むことは重要だなと思いました。
子供達が大人になった時にせっかく入った会社なんだから定年まで働きなさいなんて説教垂れたら、いつの時代の話してんだ?って鼻で笑われると思います。←これは今でも十分に古臭い考えですが。。。
何か新しいことに挑戦したい方や今の時代の流れについて知りたい方は読んでみるのもイイかもしれません。
3つの章と特別付録、読者への手紙について、それぞれ私に響いたところを抜粋して、解説や感想を書きます。
お金
3つの章立てで最も感心したのが最初のお金に関する内容。
お金の章の中で「職業の掛け合わせでキミの希少価値を上げろ」というセクションがあります。
基礎の考え方として1万時間の法則というものを引用しています。
これはざっくり言うと1つの分野に1万時間費やすと100人に1人の人材価値が生まれますよという法則。
で、1つの分野に1万時間費やした後に別の分野に1万時間費やしたら100×100で1万人に1人の人材価値が生まれるということを書いてます。
ちなみに著者の西野さんで言えば、芸人×絵本作家で本人の希少価値が1万人に1人に跳ね上がっており、他に類似する特性を持っている人がいないから芸人×絵本作家の要素が必要な仕事は全て西野さんのところに舞い込んでくるといった具合。
さらに時間を費やす分野が離れているほど人材としての希少価値も高くなると。
似たような分野で1万時間費やしても舞い込んでくる仕事は限られてくるんですね。なるほど、納得。
だから、ジャンルの離れたものにどんどん時間を投下していけば100万人に1人の人材になることも可能というわけですね。
これが職業の掛け合わせで希少価値を上げるということ。
加えて、複数の事に時間をかけて、職業の掛け合わせをしていくとおのずと収入源が複数になっていくけど、西野さんの考え方の面白いところはメインの収入としているのが芸人でも絵本や著書の印税でもなく、自身が運営している国内最大級のオンラインサロンとしているところ。
著書で得た印税を次の著書の広告費に充てて、著書を売りながら、著書内で自身のオンラインサロンへの誘導を行い、オンラインサロンの会員を増やしていくという仕組み。
オンラインサロンで得た莫大な収入を自身の求める誰も見たことのないエンターテイメントを作ることにつぎ込んで更なる高みを目指しているとのこと。
目指す高みに向けてどこまで思考されているかイイ意味でまったく読めないですね。
職業の掛け合わせによる希少価値を上げることができれば収入源が増えるのはもちろんのこと、本業が立ち行かなくなった時の逃げ道にもなりますよね。複数の選択肢を持つことはこれからとても重要です。
広告
広告の項目で繰り返し書かれているのは現在の広告におけるSNSの重要性。
誰もがSNSを使って発信できる時代だから大切なのはニュースを出すことじゃなくてニュースになることが大切と書いています。
一例として西野さんが広告として新刊のプロローグ全文を新聞の一面に載せてみたところ、読んだ方が感想をネットに次々にアップして、拡散していったという内容。
これがニュースになるということ。
あくまで自分が出した広告を軸にSNSによる回りの発信性を利用するということ。
それと広告におけるネタバレの重要性にも言及してあって、例としてモナリザとルーブル美術館の関係性を上げている。
下記の誘い文句で広告としてどちらが効果があるか?
・ルーブル美術館の奥に何だか有名な絵がある。
・ルーブル美術館にモナリザの絵がある。
圧倒的に後者ですよね。
人は教科書で見たモナリザを見てみたいからルーブル美術館に行こうとなる。
つまり、集客という観点から考えるとネタバレはとても重要ということ。
広告の章はブログを書いている身としてとてもタメになりました。
ブログも誰かが読んでくれなきゃ私のただの独り言になっちゃう。
ファン
ファンの章では機能検索の時代が終わり、人検索の時代が始まったから、ファンを作ることが重要と言及しています。
ネットの普及で物の機能や品質、価格で差別化を図るのが難しくなってきているから、1周して誰から買うかが重要になってきているので、自分自身をブランド化してファンを作っていく必要があるということ。
そして、ファンを作るための重要な要素として物語が必要ということ。
映画のストーリーと同じで内容の進行における浮き沈みがあるからこそ、観るものは物語に魅了されていく。
勝ってばっかりのストーリーなんか面白くないから負けもきちんと晒していくという具合。
あと、これは余談みたいな話になるけど、各セクションの最後にはまとめが書かれていて、まとめを読めばセクションの重要点があっさり理解できる作りになっているけど、たまにまとめに西野さんの芸人ゆえのボケがついでに書かれていることがある。
ファン章内のセクションで西野さんが執筆中に一旦トイレに行ってきますという記述があった後にまとめでも「キンコン西野は執筆中に一旦トイレに行くこともある」と記載されている。
何気ないけど、芸人×作家という職業の掛け合わせによる希少価値の強みが出ていると思う。
芸人さんが書くビジネス書だからボケを入れても不自然にならないし、結果的にボケがあることがこの本を読みやすくしている重要なファクターになってます。
繰り返しになるけど私みたいなアホでもさくっと読めます。
[特別付録]近畿大学の卒業式スピーチ
個人的にこの本を読んで最も良かったのが本編よりも特別付録扱いとなっている近畿大学の卒業式スピーチでした。
スピーチを通して、卒業する学生達に向けて色んな事に挑戦して欲しいということを伝えているんですが、挑戦の先にある成功の過程で起こるであろう様々な失敗についての話がとてもイイんです。
西野さん自身の失敗や芸人仲間の過去の失敗、コンビ相方の梶原さんの相方の過去の失敗等を笑い話として引合いに出しながら、挑戦の過程で発生するネガティブな失敗はいずれ過去になり、成功に辿り着いた時には失敗は成功に必要な過程だったと知ることが出来ると書いてます。
仕事で失敗したり、怒られたりしても長くて1年も過ぎれば笑い話じゃないですか?いずれ笑い話になるようなことを恐れて何もしなければ、何も変わらないということを改めて学んだ気がしますね。
読者への手紙
ラストの読者の手紙は何かに挑戦している方やこれから挑戦しようとしている方には響くと思いますが、現状維持というマインドだと特に感じることはないかもしれません。
要約すると挑戦しているなら、がむしゃらに頑張って、努力して成功を掴め!ということです。
うん、わかりやすい。
まとめ:【書評】西野亮廣の新・魔法のコンパスを読んだので内容解説や感想
お金、広告、ファンという3つの章を軸に時代を切り取ったような内容のビジネス書でありながら、芸人さんが書いている強みが出ていて非常に読みやすい著書でした。
仕事や育児に忙殺されているとつい時代に取り残されたような感覚に陥ることもありますが、本著書を読んで時代の流れや、改めて挑戦することの大事さを学んだ気がします。
でわでわ。
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